わが国の危機に対処する“切り札”。
それが自衛隊。
のはずだが、実際はどうか。
以下のような実情。
「〔自衛隊の〕危機感の欠如は、施設を見ると一目瞭然です。
海上自衛隊の作戦部隊は、ほとんどが自衛艦隊司令官の指揮下
にあります。
その重要な自衛艦隊司令部があるのは、地盤の軟弱な埋立地です。
地震になれば災害派遣どころではないでしょう。
敷地も狭いし民有地に隣接しているから、射程の短い武器でも
簡単に外から攻撃されます。
作戦室だけは地下にありますが、他の施設や通信機能、
電源など総合的な抗たん〔堪〕性は低いのです」
「地方総監部でも最も重視されている横須賀総監部の場合、
総監部庁舎の上に民間道路の高架があります。
申し訳程度の金網は、それ相応の訓練と準備のある襲撃者には、
まったく障害になりません。
通行車両から簡単に爆発物が投入されてしまうのです」
「基地や停泊中の艦艇が陸上から攻撃に遭う、
という発想がありません。
停泊中の艦艇は無防備だし、司令部や通信施設といった
重要な施設も掩蔽〔えんぺい〕処置はしておらず、民間施設
と大差ありません。
攻撃する側から見れば、じつにローリスクハイリターンの
攻撃対象です」
「レーダーサイトは電波障害を避けるため、
たいてい暴露された山頂にあります。
レーダーアンテナを納めたドームは、
その性質上隠すことができません。
こうした施設は攻撃目標になりやすいのです。
他の関連施設のほとんども掩蔽されていません。
レーダー電波に向かってくるミサイルを使用されれば、
遠距離から確実に破壊されるでしょう。
物理的破壊(ハードキル)だけでなく、
電子妨害など機能破壊(ソフトキル)もあります。
敵は、攻撃前にレーダーを使用できなくなるよう、
サイトに対する攻撃として電子戦も実施するでしょう」
「要撃管制の中枢や通信施設が、国内潜入の工作員等に
地上からの攻撃で破壊される可能性も十分に考えられます」
「敵の攻撃を受けて、眼(レーダー)と神経(通信)、
頭脳(司令部)をやられてしまえば、手足(戦闘機、ミサイル)
は威力を発揮することはできません。
組織的な防空態勢は開戦早々崩壊し、
実際に敵機が来襲した時には、
前近代的な各個の要撃戦闘となり、
敵に圧倒されるでしょう」
「戦闘機などの航空機は基地に依存します。
滑走路だけでなく、整備や補給という支援機能が必要です。
…基地が破壊されると戦闘機は無事でも作戦できなくなります。
滑走路は簡単に破壊できる代物だし、支援設備も同様です」
「航空自衛隊が民間空港を共同使用して、
管制業務が民間にある場合、
離陸さえままならないのが実情です。
那覇では、領空侵犯に対処するため寸秒を争う
スクランブル機も、旅客機の離着陸のために
待たされる有様です」
「山手線の内側に戦闘部隊がいないのは、
皇居や政経中枢を守る気がないと見えます。
…戦闘部隊を、皇居から10km程度の範囲内に配置すべきです」
(中村秀樹氏)等々。
ある人いわく、
「自衛隊は“戦争が無い”ことを前提とした組織」とか。…